白い夢2へ
白い夢3
それに映っていたのは友達の“アツシ”だった。
いつも冷静なはずのアツシが額から汗を流し焦っている。
「篤!そこから逃げろ!」
映像に向かって叫んでも声が届かない事くらいわかってる。
でも黙ってなんか見ていられなかった。
その映像には篤の苦しい姿が写されていたのだ。
篤に向かって四方八方から刃物の様な鋭利な物が飛びかい篤を狙い続けている。
篤は部屋の中を必死に逃げ回っているがソレの数は段々と増えて行く。
よけるのがやっとのようで体はボロボロになってきていた。
「もぅやめてくれ……やめてくれよ! これ以上人が消えるのを見たくないんだ!」
「悪いがそれは無理な話だな」
「オレはどうなったっていい! だから、篤だけは助けてくれないか」
「この映像はなリアルタイムじゃないんだよ。この意味が分かるかな?」
「うそだろ…… ちくしょぉ! 篤……」
もう一度映像を見た時、アレは篤の胸を貫いていた。
過去の映像だと分かっていても、また何もできない自分が悔しかった。
篤が倒れこむのと同時に自分は泣き崩れていた。
「うゎぁぁぁぁぁぁぁ!」
何もかも分からない、とっくに頭はおかしくなっていたのかもしれない。
「そぅ喜ばなくてもいいだろう。次は君の番だよ、さぁ剣を抜きなさい」
そう大した事じゃ動じなくなっていた、感覚がにぶってきているのかわからない。
目の前には突然に前の瞬間移動のような感じで自分より一回り大きな甲冑の鎧が立っていた。
それともうひとつ、剣が置かれていた。自分の肩くらいの大剣が。
疑う事もなく、いやすでに考えるという行動はとれなかった。
鞘をなげ、力いっぱいに柄をにぎり甲冑に向かっていく。
「オレの友達を奪って何がいいっていうんだ!」
大剣を振り上げ、甲冑に叩き込んだ。
小さな部屋に甲高い金属音が響きわたる。
兜が床に転がり、甲冑の中に人はいなかった。自分は2,3歩下がり様子をみた。
甲冑はゆっくりと動き出し、剣を引き抜き、こちらに歩み寄ってくる。
もはや勝機はなかった。
こんな未知のバケモノと戦うなんて…… 無理に決まってる。
しかし自分の体は動いていた。死を選ぶかのように。 次が最後になるだろうとわかっていても。
どこの迷いもなく甲冑の胸の中心部分だけを見つめ、そこをつらぬいた。
「かはっ…… ? 」
冷たいものが体の中を通り抜けた。口から赤い液体が滴っていた。
見事に甲冑は貫いていたものの、相手の剣も自分の胸の中心、心臓に突き刺さっていた。
「はは。 これで終わりかよ。」
オレはこれで死ぬんだな……
自分はゆっくりと倒れこんだ。
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