白い夢3へ
白い夢4

  「ぐっ……」
なんとも情けないつまった声をあげた。
  「アレ? なんで俺……」
胸に激痛がはしったと思えば、血は出ていなく傷さえない。
首をかしげ、少し考えたあと顔を上げた。するとそこにはあの甲冑が立っていた。
!?…声も出さずに驚き、一歩退いた。甲冑は動かない。魂が抜けたかのように。ピクリとも。
ユタカは、ほっと胸を撫で下ろし辺りを見渡す。右を見て左を見て……
一瞬自分の視界に入ってきた光景に、手で目を覆ってしまった。
その光景はなんとも不思議でしかたなかった。
そこには鋭く尖った剣が胸に突き刺さっている少年が倒れこんでいたのだ。
倒れている彼が自分自身であることにそれほど時間はかからなかった。
どこからどう見ても、まさしくソレはユタカ自身だったからだ。
  「…… 一体何が起きているんだ?」
目の前にいるのは確かにユタカ自身である。でも自分はここに立っている。。
大きく息を吸って、ため息をつき下にうつむいた。視線を上げもう一度、ゆっくりと、自分自身を見つめた。
その時、妙に気持ちが落ち着き、肩の荷がおりたかのような感じがした。
  「そっか、 俺って死んだのかな……」
信じるも何も目の前の自分は胸を貫かれていて生きているはずもない。
ユタカは幽霊か何かにでもなったのだろうとそう思った。
すると心の奥深くから悲しみとも怒りともいえない何かがこみ上げてくる。
その思いを拳にのせて白い壁にむかって解き放った。
拳が空を切る。殴る以前に壁にさわることができなくなっていた。
さわろうとすれば手は壁にめりこみ、通り抜けてしまう。
自分はここにいるけどいないんだ。今の自分は俺であって俺じゃない。
とても寂しくなった。ひどく孤独感にもおそわれた。

  ……もぅここにいたくない。

自分はもう死んでいるんだ、どこにだって行けるんだ。壁だって通り抜けられる。
思い切って壁の中へと飛び込んだ。
闇が体全体を包み込む。先には一点の光。その光が大きくなり視界が晴れた。
    「!? ……」
ユタカは絶望した。そこは前と同じ白い部屋だった。
その部屋にはあの眼鏡の男が立っていた。
先ほどまでのユタカの部屋の映像を見ながら。
ユタカはゆっくりと眼鏡の男に向かって歩み寄る。しかし眼鏡の男は気づかない。
  「おぃっ、 無視するなよ。」
……何の反応もない。ユタカは気づく。自分が死んでしまっている事を。
眼鏡の男にゆっくりと手を伸ばす。恐る恐る。 もちろん触れなかった。
  「そっか、そうだよね。」
ユタカは落胆し気を落としかけたとき、眼鏡の男の目がスクリーンからユタカの方を向いた。
  「おつかれ。」
眼鏡の男がそっとつぶやいた。そしてユタカの肩をポンッとたたいた。
  「えっ!?」
驚きの声を上げるのと同時に一瞬で目の前の世界が変わる。また例の瞬間移動。


真っ暗な夜の世界。。。。そしてユタカの住んでいた町。。。。そして上空。。。。

     「うぁぁぁぁぁぁ!!!」


今回は書き方(視点)を変えてみました。前回から読んでると少し変に感じるかもしれないです^^;
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